農地の転用許可を受けて転用が完了したら、忘れずに、農業委員会に転用し終えたことを確認した証明書の交付を申請します。証明書の交付を受けた後は、法務局で地目を変更する登記申請手続きを行うことができます。
証明書の名称は「農地の地目変更登記に係る転用確認証明」です。
不動産登記に関する手続を定めた不動産登記法では、地目や地積を変更した場合、所有者が1カ月以内に登記内容を変更する申請手続きをしなければならないことが定められています。地目変更の登記申請手続きを行わなかった場合、所有者は10万円以下の過料に処される場合があります。
地目変更の登記は、通常、農地のまま所有権を移転し、農地転用許可及び転用確認証明を受けた段階で、新たな所有者が地目を変更する申請手続きを行うとの手順で行います。
家を建てる際には、多くの方が、住宅金融公庫や銀行の住宅ローンの融資を利用します。この場合は、建物だけでなく、土地も共同担保として抵当権を設定することになります。抵当権の設定は金融機関が主導で行うため、地目変更手続きも併せて行われることになります。
しかしながら、自己資金で農地転用をする場合は、農業委員会の許可を得て所有権移転登記の申請手続きを行い、その後に住宅の建設や駐車場の整備、資材置場への転用をしたとしても、その後の地目変更を失念してしまうケースがあります。
建物の表題登記をしただけでは、土地の地目はいつまでたっても自動的に変更されることはありません。 「農地の転用許可を受けたから、登記上の地目の変更は必要ない」と勘違いしている方も多いようです。
地目を変更せずに放置した場合、土地を賃貸や売買など、権利の移動や設定をしたいと思っても、地目が農地のままですから、実行できません。
現況が許可申請の目的どおりに転用されている場合であれば、農業委員会から転用確認証明が交付され、問題なく地目変更登記の申請手続きを行うことができます。
このようなトラブルを避けるため、転用目的を達成した後は、忘れずに、法務局で地目変更登記の申請手続きを行います。ただし、登記の申請前には、必ず農業委員会に転用確認の証明書交付を申請しなければなりません。
なお、転用許可の目的以外に転用した場合は、転用確認の証明をしてもらうことはできません。このため、地目変更の登記手続きを進めることができません。あらためて農地法による許可申請手続きを受け直すことになります。
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