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公的価格の現状

公的価格

公的な機関が定期的、継続的、かつ全国的に地価を評価する制度として、①公示価格、②基準地価格、③路線価、④固定資産税評価額の4種類が存在。1物4価では価格の統一が保てないため、政府は閣議決定に基づき、平成3年1月から公的評価の均衡化を進めている。

 

  • 公示価格

国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日現在の価格を調査・公表。一般の取引価格の指標。

  • 都道府県基準地価格

都道府県知事が毎年7月1日現在の価格調査・公表。一般の土地取引価格の指標として公示価格を補完。

  • 路線価・倍率表

国税庁局長が定め、各税務署において毎年1月1日頃に評価替え。相続税や贈与税の課税価格。地域により格差も見られるが、公示価格に対する割合は概ね0.8となるよう均衡が進められている。身延町では路線価の設定はなく、倍率表が設定されている。

  • 固定資産税評価額

市町村長が、3年ごとに1月1日現在の価格評価を行い決定。固定資産税、登録免許税などの課税標準。

公示価格に対する割合は概ね0.7となるよう均衡が進められてきてはいる。ただし、大幅に下回ることもある。

 

 

最新の公的価格(平成31年4月時点)

公示価格

都市計画区域内の 20 市町村および北杜市を対象とした「平成 31 年地価公示(基準日平成31 年1月1日)」によれば、山梨県における全用途の平均価格は 43,000 円/㎡、平均変動率は▲0.9%、平成 5 年以来 27 年連続して下落したものの、下落幅は縮小。

下落幅の縮小は、長らく下落が続き、全般的に価格が落ち着いてきたこと、業績好調な製造業が立地する地域の住宅地や大規模商業施設至近の住宅地等、一部の地域で需要が回復していること及び低金利が継続していること等が主な要因。

県全体でみると、上昇地点が見られる町村や、横ばい地点が見られる市町村もあるものの、高齢化率が高く人口減少が著しい地域では県平均に比べ下落幅が大きい等、市町村による格差も大きい。

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最新の公的価格(平成31年4月時点)

山梨県の基準地標準価格

基準地の標準価格を公表することにより、地価公示法による公示価格を補完し、一般の土地取引の価格に対し指標を与え、適正な地価の形成に寄与する。

 

県下 27 の全市町村を対象とした「平成 30 年度山梨県地価調査(基準日7月1日)」によれば、全用途の平均価格は 27,300 円/㎡(昨年 27,700 円/㎡)、平均変動率は▲1.7%、昨年(▲2.0%)より 0.3 ポイント縮小。全用途の平均変動率は平成 5 年度以降、26 年連続して下落。住宅地の平均変動率は▲1.8%で下落率が 3%を超える市町村は 3 町村(昨年 4 町村)。

上昇地点あるいは横ばい地点が見られる市町村もあるものの、高齢化率が高く人口減少が著しい市町村では県平均と比べ下落幅が大きい等、市町村による格差も大きい。

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基準地価格2.png

(参考)

 

1.公示地価/基準地価と実勢価格の差

 

国土交通省の公示地価や、都道府県の基準地価は、公的な地価水準として知られており、土地の取引においても参考にされるべき地価。毎年1月1日時点の地価が公表され、不動産鑑定士の鑑定評価が基礎。

 

ただし、土地には定価がなく、取引の当事者により自由な価格を決めることが可能で、互いに納得できる価格まで交渉して取引が完結する。「互いに納得できる価格」とは、公示地価に拘束されるものではない。(不動産鑑定士の鑑定評価額を取引価格にする場合は除く)

また、売主と買主は利益相反の関係にあるため、公正な取引がされるほど、合理的な適正価格=公示地価に近づいていくことが期待されるものの、公示地価と実勢価格は、時に大きく乖離してしまうことが知られている。

 

2.実勢価格の考え方

 

土地の場合、「異なる土地について異なる価格」が付いているために判断が難しく、実勢価格は単に異なる土地の価格を寄せ集めた結果となる。売買が成立する価格は、当事者の自由な交渉で変動し、実勢価格に近いとは限らない。

 

このため、土地の実勢価格は平均的な過去の価格であって、将来の取引で成立しそうな価格ではないこととなる。また、取引事例から平均値を求めることは可能ではあるが、あまり意味はなく、幅のある価格帯として捉えておくべき価格と言える。

 

取引事例から求める実勢価格は、事例が少ないと精度が低くなることから、同じ地域の売り物件や不動産業者による机上査定(無料の価格査定)などで把握する方法もある。

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