書類作成センター 山下 行政書士事務所
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遺産相続のあらまし
相続には、遺言相続と法定相続の2種類があります。
遺言相続は、被相続人(死亡者本人)が、その意思を遺言という形で表示し、この意思表示に従って行われます。法定相続は、遺言がない場合に、民法のルールに従って行う相続です。
法定相続の基本ルールとして、民法では、相続の開始要件、相続人、相続財産、相続分、共同相続や遺産分割などが規定されています。
相続により、被相続人の財産を、相続人が承継する際、市町村への死亡届の届け出、金融機関への被相続人の死亡の届け出、遺言書の調査、自筆証言遺言書などについての家庭裁判所での検認が行われます。
また、遺産分割協議に必要となる、相続人確定のための戸籍調査、相続財産確定のための遺産関係の調査が必要となります。
その後、相続放棄や相続人間での遺産分割協議が行われることになります。相続人間で行われる遺産分割協議は、相続人全員の合意形成が必要です。相続放棄は、相続の開始から3カ月以内に家庭裁判所への申述が必要です。
また、相続人は、遺産分割協議後に、金融資産の払い戻しや動産の名義変更、不動産の登記、相続税の申告と納税を行わなければなりません。
法定相続人は、戸籍謄本で確定します
相続を完了させるためには、被相続人の財産を誰に承継させるかを確定しなければなりません。我が国には戸籍制度があり、相続人が日本国籍を有する者の場合、戸籍謄本により被相続人と相続人の身分関係を確認し、法定相続人を確定することとなります。
戸籍謄本を取得するには、本籍地のある市町村長に交付請求をしなければならず、本籍地と違う場所に居住している場合、本籍地のある市町村に出向くことや郵送などの手段を用いらなければなりません。
また、被相続人の出生から死亡までの間の身分関係を網羅するための戸籍は、複数となることや、戸籍の改製により閉鎖された改製原戸籍の確認などについて、順を追って丹念に取得する必要があることなど、相続人を網羅する戸籍を限られた期間内に入手することは困難な面があります。
なお、平成31年第198回通常国会に提出予定の戸籍法一部改正案により、本籍地の市町村長以外の市町村長に対する戸籍証明書などの甲府の請求が可能とされることとされており、戸籍法改正による戸籍証明書の広域交付が可能になる予定です。
また、入手した戸籍謄本を読み解き、法定相続人を確定していくことは、戸籍謄本を見ることの少ない人にとっては、被相続人の身分関係が複雑な場合、スキルが必要で、読み解くのは簡単な事ではありません。
身分関係を確定する際に必要となる戸籍謄本の不足があった場合、何度も必要となる戸籍謄本を入手しなければなりません。日本国籍以外の者と婚姻関係があった場合、戸籍謄本では法定相続人を網羅できないことになります。
預貯金などの相続財産を確定するには、預貯金残高証明書
被相続人の相続財産については、金融資産などの積極財産と住宅ローンなどの消極財産があります。相続人にとって、被相続人の財産がどの程度あり、その財産はどこにあるのかを把握することが容易ではない場合も、多々あります。
相続財産を確定する場合、預貯金については、金融機関に預貯金口座の確認、預貯金残高証明書の請求を行います。金融機関との取引記録などの手掛かりがない場合、各金融機関に口座情報の確認を求めることになります。
金融機関に口座情報を開示してもらう際には、口座情報として登録されている住所の確認などが必要となります。なお、預貯金残高証明書の請求様式は、各金融機関によって異なっています。